感想とか

本とかゲームとかの簡単な感想メモを置くところです。

灼熱の小早川さん

なんかラノベ(というかガガガ文庫)ばっかだな…。まぁいいかー

タイトル:灼熱の小早川さん

出版:ガガガ文庫

著者:田中ロミオ

購入動機:作者買い

簡易あらすじ:学級崩壊に立ち向かう愚民とか言っちゃう系女子高生と根闇(性根が闇属性)男子のラブコメ

以下感想
ガガガ文庫の看板作家(たぶん)こと田中ロミオのラブコメです。人類は衰退しましたがアニメ化でなかなか今波に乗ってる系作家のひとりです(おそらく)

あらすじはぼかしてますが結構ネタバレですのでご注意。ていうか読んでなきゃ意味わからんかもしれんです。

AURAと同じく学校の空気感というか、密閉された空間の嫌なところが存分に出ているのが非常に胃にクる感じですね。あれだ、「お前空気嫁よ」「一人で頑張って何なん?あてつけ?」みたいな空気。自分はそこまで露骨なのはなく非常に呑気な中高時代を送ったんですが、そんな中でも小さい「空気嫁」は絶対あります。その辺はいろんな人が共感するんではないかと。

こういうところに1人カリスマ性を持ったやる気に満ち溢れる人がいると、クラスの空気が一気に変わったりしますよね。でも、やっぱそれは持って生まれた才能じゃないですか。社会に出れば違うかもしれないけど、高校生でその辺学べっていうのは無理な話。凡人には無理なんです、出る杭クラッシュされるだけなんです。それでもその空気が嫌ならやるしかないっていう、小早川さんの決意は本当すげーと思います。

その辺も結構くるものがあるんですが、自分が一番泣けたのは主人公の飯嶋君です。こいつすごい頑張ってるよ。

小早川さんの対応諸々もそうなんですが、そうじゃないんです。
小早川さんへの態度というか、その辺なんです。

今ネット発達してるじゃないですか。ついったーとかmixiとかfacebookとか、手に入れようと思えばいくらでも個人情報入手できます。
そんな中でもし、好きな人のアカウントが分かったらどうします?つい見ちゃったりしませんか?
たとえばお友達カテゴリには入れてないけど、たまにmixiの日記を見に行く知り合いとか(当然その後足跡は消す)いませんか?
…いやいや、体験談とかではないよ?ないですよ?マジですよ?

相手に気付かれず相手の考えてること覗けたら、相手からの信頼を一気に得ることもできます。人に理解されてると感じるのって、とてもうれしいことだし。
でもそれは、本来はできないことです。本当は実際相手を見て喋って、自分の考えを伝えて、殴り合いの中で相手との適切な距離を測っていかなきゃいけない。(ロミオは昔からその手のテーマ多いですね)
ずるしたらどこかで致命的にずれてしまう。

結局相手をわかるには、本気でやんなきゃいけないんです。
闇属性の飯嶋君も最初はそうやってうまいこと信頼を勝ち得ていくんだけど、ずるのつけが現れ、そのずる分を直そうともがいた結果うまくいかず、2人の関係は劇的に変わってしまします。
致命的な出来事の後、飯嶋君は最後に本気をだします。出しますが…でも…でもさぁ…そこまでに至るのが不器用っていうか、きっついなぁー、なんだよ!
だってもうそんなことしなくてもいいんです。それをしたらクラス中から反発受けるってのは今まで見てれば分かる。それでも、小早川さんと会話できなくなってしまったからこそ、今まで彼女がいたその場所に立って本気で彼女に近づこうとし始めるわけです。
理由?好きだからですよ。小早川さんが好きだから!あー苦しい!泣ける!青春だよ!つらいよ!!
つまりそこが一番大事なんだよこの話は!!(個人的見解)
そして最後にクラスメイトに嵌められて、小早川さんと本当に同じ立場になったとき氷の剣士になれても小早川さんとちょっとだけ繋がることが出来たんよ!(多分
もう飯嶋君は本当にお疲れだわ…泣けるわ…
末永く小早川さんとお幸せになってください。

あと結構言われてる、最後のたたみ。
個人的には結構コレしかないENDだと思いました。「実際そんなわけねーから説得力ある話なんてかけないけど、それじゃエンタメとしてちょっとアレかなーって感じだからこう終わらせようか」とかそんなん思って書いたんじゃないかなー作者(妄想)
でもそれでいいじゃない。現実だけでなく、本の中でも空気に立ち向かって押しつぶされましたーって終わりは幸せになれないかんなー。

まとめ:小早川さんが超かわいい。愚民とか断罪とか素で言っちゃう女子高生に悶えろ!
ちょっと変わった学園ラブコメが見たい人にお勧めだが重いのが苦手な人は避けるが吉。

メモ:小早川さんちょうかわいい。作者買い継続